ゆがんで見えませんか?
線などがゆがんで見えることを、眼科的には歪視(わいし)があると言います。歪視がある場合は、眼の奥の網膜に何かしらの病気がある可能性が高いです。眼の奥に悪い血管が生える加齢黄斑変性症や、糖尿病から生じる糖尿病網膜症などが原因としてあります。
今日お話しする、網膜前膜(黄斑前膜)も歪みを生じる病気の1つです。写真1のように網膜の表面に膜が張り、網膜を歪めるために、歪んで見えるのです。進行すると視力も低下します。放置すると視力低下や歪みはどんどんひどくなります。治療するには硝子体手術という眼の奥の手術を行ない、その膜を除去する必要があります(写真2)。進行すると、改善しづらくなるため、早期に手術するほうが視力予後は良いです。ときどき縦横の線や、障子などを片目ずつで見てみてください。歪みを自覚した場合は、一度眼科を受診することをお勧めします。当院では眼の奥の硝子体手術も行なっていますので、お気軽にご相談下さい。
[写真1(術前)]
[写真2(術後)]